くらげなす

ニートの読書感想文。

ライトノベルと現代瞑想の融合!滝本竜彦の“光の小説”


ライト・ノベル
滝本竜彦 (著)


「NHKにようこそ!」「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」等で有名な、滝本竜彦さんの最新作。滝本さんが個人ブログで連載されていたweb小説がもとになっている。


不登校気味な高校生、ふみひろ君が主人公。
久々に登校した彼の前に突如、“光のゲート”が出現!そこから現れた猫耳のミーニャと出会うことで物語が動き出す。
ミーニャは“エクスプローラー”と呼ばれる異世界の探索者だ。“闇の迷宮”に敗れて彼のいる部屋に緊急避難してきたらしい。
その後、幼馴染がゲートの向こうに旅立ったり、新しい友達がゲートの向こうからやってきたりしながら物語は進んでいく。


まず作品を彩るヒロイン達が個性的で面白かわいい。
前世の記憶を思い出し不良になってしまう幼馴染。“究極の核家族”を作るために処女懐胎した主人公の母親。ハーブを育てる元吸血鬼。次元降下してきた人間天使。語尾に“にゃ”を付ける変な少女。
主人公のふみひろ君にも好感が持てる。彼は不登校気味だったが、決して意志薄弱な人間ではない。光のゲートが開いたのも、彼の強い意志が関係している。


作中、主人公たちが彷徨うことになる星幽界と闇の迷宮の描写も興味深い。
私が度々見る夢の風景によく似ている。普段の現実より、少し抽象的で意味ありげな感じ。あるいは薄暗くて複雑に入り組んだ迷路のような構造。
リアリティのある巧みな筆致で、ひょっとしたら本当にああいう場所が、次元の少し上の方にあるのではと思わせてくれる。


そしてやはり、この作品を語るうえで避けて通れないのは、“光の小説”というキーワードについてだろう。物語終盤、ふみひろ君たちは“ライト・ノベル部”を新設し、この光の小説を完成させようと奮闘する。
光の小説とは何か?簡単に説明すると、読み終えた読者にポジティブな変化を与える小説のことだ。読んでいる間楽しい、幸せというだけではない。読み終わった後、読者の心と生活にハッピーな変化が訪れる小説である。


まさしく、この本自体が光の小説(Light novel)なのだ。
滝本さんはこの数年間、誘導瞑想作家としての活動を続けてこられた。この小説にも、どうやらそういった瞑想的でポジティブな効果がある。読者は登場人物たちを通して、闇の迷宮の探索とそこからの解放をリアルに体験できるのだ!
これは画期的な小説なのでは!?とにかく面白いからみんな読もうぜ!