くらげなす

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テンプル騎士団はかっこいい


テンプル騎士団
佐藤賢一 (著)


中世ヨーロッパの“テンプル騎士団”について書かれた本。
著者は「傭兵ピエール」などの歴史小説で有名な、佐藤賢一さん。


修道士と騎士という二つの顔を持つテンプル騎士たち。彼らの誕生と繁栄、そして滅亡の経緯が詳しく解説されている。


テンプル騎士団の正式名称は、“キリストとソロモン神殿の貧しき戦士たち”という。修道会でありローマ教皇直属の組織である。騎士でもあるのだが、王侯に仕えていた訳ではない。
もともとはエルサレムにて結成された組織で、聖地に赴く巡礼者の保護を目的としていた。その後、西方で様々な支援を受け、組織を大きくしながらイスラム勢力と戦ったようだ。
当時の騎士というのは割と個人主義だったらしく、テンプル騎士団(と聖ヨハネ騎士団)はヨーロッパ初の常備軍であった。また、国際銀行や大地主としての顔も持つようになり、広くヨーロッパに影響力を持つ“超国家的な組織”となっていった。


しかし、最終的にはフランス王フィリップ4世の策謀にかかり、あっさりと滅んでしまう。強者としての油断があったのかもしれない。十字軍活動も下火になっていた中、いまいち組織としての身の振り方も定まらなかったようだ。


正直、キリスト教版の僧兵くらいの認識しかなかったので大変勉強になった。
ファンタジー作品に登場する“聖騎士”や“神殿騎士”。宗教家でありながら騎士という、現実にそれに近い人たちが居たということに浪漫を感じてはいた。だがこの本によると、もっと強大で色々な顔を持つ、“歴史に唯一無二の存在”だったようだ。
テンプル騎士団かっこいい!