くらげなす

ニートの読書感想文。

終わることのない異世界への旅!


鏡のなかの鏡 迷宮
ミヒャエル・エンデ (著)、丘沢静也 (翻訳)


「はてしない物語」や「モモ」で有名な、ミヒャエル・エンデさんの連作短編集。
不思議な世界の短編小説が、30編収録されている。


夢から夢へ、異世界から異世界へと果てのない旅をするような、摩訶不思議な本だった。
30編の物語はお互いを鏡のように映しあっている。前の話を次の話が映し出し、また更に次の話へ。まるで遊園地にあるミラーハウスのように読者を幻惑する。
舞台も登場人物もそれぞれの話で違うのだが、全体を通して同じ宇宙というか、世界のシステムみたいなもので繋がっているようだ。


読んでいると、鮮やかで強烈なイメージが次から次へと襲ってくる。神秘的な出来事や不可解な状況が、現れては消えていく。この感じは睡眠中に見る夢にも似ている。
夢というのは見ている人間の記憶を反映しているので、これもまた現実を映し出す鏡と言えよう。この本の影響か、また奇妙な夢を見た。でも詳しい内容は覚えていない。奇妙だったこと以外は忘れてしまった。
夢の中の主人公は、この現実の私のことを覚えていただろうか?


異世界というものがあるとしたら、この「鏡のなかの鏡」に出てくるような場所なのかもしれない。そしてこの世界も、異世界の物事を鏡のように映し出す、数ある物語の一つに過ぎないのではなかろうか?
私は日本に住む■■■■という名前の男だと思い込んでいる。しかし、それは用意された役柄に過ぎず、本当は別の世界から飛び込んできた“だれでもない者”なのかもしれない!